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「僕は、とんこつラーメンで」
あなたがオーダーすると、
「はいよ!」
カウンターの中で店主がにっこり笑って、元気に返事を返すと、早速調理を始めた。
鍋の中に、麺を二玉入れて、茹であがるまでの間に、どんぶりを並べて、立野のオーダーしたねぎラーメンと、あなたのとんこつラーメンの準備をしつつ、鍋の様子を見ている。
タイミングを見計らって、鍋から麺を上げると、湯切りをしてどんぶりに入れた。
麺をスープに馴染ませて、トッピングをのせていく。
店主は立野と、あなたの前にラーメンを置いた。
「はい、とんこつラーメン・・・・・おまちどうさま」

熱いですから、気をつけて下さいね・・・・・店主は笑いながら言った。
あなたが「いただきます」と言うと、店主は嬉しそうだ。「ごゆっくりどうぞ」と言うと、後片付けを始めた。
あなたは割りばしを割って、ラーメンを食べ始めた。
横を見ると、立野はねぎラーメンをガツガツと食べている。
立野さん、どんぶりまで食べそうな勢いだな・・・・・あれだけ飲み食いしたのに、よく食べられるな・・・・・あなたは、自分のオーダーした『とんこつラーメン』のどんぶりを見ながら苦笑した。
こんなにコッテリとしたラーメンを、ビアガーデンでたっぷり飲み食いした後に、たべられるのかな?・・・・・あなたはラーメンを一口、口に運んだ。
「?!」
あなたは思わず、店主を見た。
店主はニコニコ笑いながら、あなたを見ている。
「これ、美味いですよ!」
あなたが言うと、店主は「ありがとう」と言って、チャーシューを一枚、あなたのどんぶりに入れた。
店主は微笑みながら、言った。
「どうぞ・・・・・召し上がって下さい」
「ありがとう」
あなたは再び『とんこつラーメン』を食べ始めた。
確かに美味い。
とんこつラーメンだから、もっとコッテリとしているのかと思ったが、しつこ過ぎない絶妙なバランスだ。
あなたは『とんこつラーメン』を食べた。
いつしかあなたは、隣で食べている立野と同じように、ガツガツと食べていた・・・・・体がなんだかムズムズするが、気にしていられない。
あなたは、気がつかなかった。
自分の身体に変化が起きていることを・・・・・。
あなたは麺や具を食べ終えると、どんぶりの中のスープを飲み干した。
まるでお酒に酔ったように、身体も心も心地よい。
「ごちそうさま」
あなたが可愛らしい声で言うと、
「600円になります」
店主がにこやかに応えた。
あなたはバッグの中から財布を出して、支払いを終えると席を立った。
隣で食べていたOLも食べ終えたようだ。
彼女と目が合ったあなたは、目礼をした。
美人だな・・・・・でも、あの人のことを知っているような気が・・・・・あなたは考えようとしたが、身体と心の心地よさに、まるでお酒に酔ったような気持ちで家に向かった。



家に帰ったあなたは、部屋に入り、バッグを机の上に置いた。
時計の針は、既に午前0時を過ぎている。
遅くなってしまったな・・・・・明日も講義があるのに・・・・・しかも眠る前に『とんこつラーメン』を食べてしまった。お腹が空いていたとはいえ、太るかな?
あなたは両手をウェストにあて、満足そうに微笑んだ。
胸からウェスト、そしてヒップから足へと続く身体のラインは、あなたの秘かな自慢のひとつだ。
あなたは、クローゼットの横に置かれた、全身が映る鏡に自分の姿を映した。あなたの動きが止まった。
『女の子?』
あなたは状況が理解できず、戸惑いながら鏡を見つめている。
鏡に映る女の子も、戸惑っているようだ。
あなたは鏡に映る女の子を見つめている。
ポニーテールに纏めた黒髪。
白いブラウスの胸の辺りを、下から押し上げる2つの胸の膨らみ。
抱きしめると折れてしまいそうなほど、細く引き締まったウエスト。
そして、フレアースカートを膨らませている形の良いヒップ。
スカートから伸びるムッチリとした太股と、キュッと引き締まったふくらはぎ・・・・・ため息が出そうな美脚だ。
あなたは、鏡から視線を逸らすと、小さく震えながら、自分の身体を見下ろした。
視線の先には、ブラウスを押し上げる膨らみがある。
そして、鏡の女性と同じ服を着ている・・・・・馬鹿な、僕は・・・・・震えながら叫ぼうとしたその時、
『“僕は”・・・・・どうしたの・・・・・?』
突然、部屋の中に女の子の声が聞こえた。
あなたは、部屋の中を見回し、そして視線は、ある場所で止まった。
鏡だ・・・・・。
『あなたは、わたし・・・・・女子大生の女の子・・・・・』
鏡の中の女の子が言うと、あなたの口も同じように動く。
鏡の中で、女の子がクルッと回ると、あなたの身体も同じように回った。
ライトグリーンのミニ丈のフレアースカートが、フワリと拡がり、再びあなたのムッチリとした太股を撫でる。
その感覚に、あなたは戸惑っている。
『あなたは女の子・・・・・20歳の女子大生の女の子・・・・・』
鏡の中の女の子の言葉が、あなたを・・・・・そして『現実』を変えて行く。
『あなたには、胸があるのよ・・・・・』
女の子のようにね・・・・・鏡の中の女の子が両手を胸にあてると、あなたの両手は意思に反して、ブラウスの上から胸を触っていた。
掌には、柔らかい膨らみと、女性だけが着ける下着の感触が伝わってくる。
『細いウエストへのラインも・・・・・』
あなたの両手は、バストからウエストに向かって身体を撫でるように動く。
『そのヒップだって・・・・・』
鏡に映る女の子が、スカートの上からヒップを撫でると、あなたの両手も同じように動き、掌にスカートの布地の感覚が、そしてヒップからは『撫でられている』感覚が伝わってくる。
『足だって・・・・・綺麗でしょう?』
あなたの意思に反して、身体が勝手にスカートの中で、滑らかな肌触りの太股を擦り合わせる。
あなたの心は、その感覚に流されてしまいそうになる。
鏡を見つめて、『女子大生の女の子』を見ながら、あなたは思った・・・・・でも、僕は男だ・・・・・と、その時・・・・・ライトグリーンのフレアースカートが、フワリとめくれて、レモンイエローのショーツが、まる見えになった。
「キャーッ?!」
悲鳴を上げながらスカートを押さえ、あなたはその場に座りこんだ。
『男の人が、スカートがめくれて、悲鳴をあげるかしら・・・・・?』
あなたの頭の中に、女の子の声が聞こえてくる。
『見えたでしょう?・・・・・女の子の下着を穿いた、すっきりとした股間を・・・・・あなたは女の子・・・・・』
あなたの身体を、淡い光が包んでいく・・・・・するとどうだろう・・・・・あなたは、今まで感じたことのない感覚を感じていた。
『さあ・・・・・生まれ変わった、あなたの身体を感じなさい』
あなたは胸の先で、乳首が固くなり、ブラジャーを押し上げようとしているのを感じた。
あなたはいつしか床に倒れて、悩ましげに身体をくねらせて、太股を擦り合わせている。
あなたは歯を食いしばって、感じたことのない感覚に耐えていた。
思わず呻いた・・・・・そう、あなたは呻いたのだ。
しかし、あなたの耳に聞こえてきたのは、女の子の甘い声だった。
その声を聞いたことで、あなたの中で、スイッチが入った。
あなたは身体をくねらせて、甘い声をあげ続ける。
今まで感じたことのない感覚が、胸から・・・・・ヒップから・・・・・太股から・・・・・そして、お腹の中に、今まで無かった器官から、あなたの脳細胞に伝わってくる。
あなたは懸命に耐えようとするのだが、我慢しきれずに、甘い声をあげてしまう。
「こ・・・・・のまま・・・・・で・・・・・は・・・・・」
あなたは、その先に何が起こるか・・・・・正確に理解していた。
しかし、それを避ける方法は・・・・・今のあなたには、見つけることは出来ない。
やがて、その感覚の高まりは、あなたの『男性の心』を溶かして『20歳の女子大生の心』に変えていく・・・・・そして、その高まりが頂点に達した時、あなたは甘い叫び声をあげ、あなたの『男の心』は、消えて行った・・・・・。



翌朝

目覚まし時計の音が、あなたを夢の世界から呼び戻した。
時計の針は、午前7時を指している。
目覚めたあなたは、パジャマを脱いで、着替えを始めた。

昨夜は、お酒を飲み過ぎたかな・・・・・?
おかげで、昨夜は変な夢を見た・・・・・わたしが男になってラーメンを食べていた夢だ・・・・・。
あなたは思わず、苦笑した。
その間にも、あなたの白く美しい指は、新しい下着を身につけ、白いポロシャツと紺色のミニスカートを着た。
夢の最後に感じた、あの感覚・・・・・あれは・・・・・?
あなたの下腹部で、何かを感じた。
しかし、あなたは気がつかないふりをしていた。
身支度を終えて、鏡の前に立った。

そこには、『いつもとかわらない』美しい女子大学生のあなたがいた。









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