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「もう少し歩いて、様子を見た方がいい・・・かな・・・?」

あなたは、“鬼”が来ないかどうか・・・辺りに視線を走らせながら無人の遊園地を歩いている。
あなたは大きな観覧車を遠くに見ながら、ゴーカート乗り場にやってきた。
さすがに、無人のゴーカートは、コースの中を走っておらず、乗り場にずらりと並んでいる。
あなたは乗り場に立ち、一台のゴーカートを見つめながら、
「これに乗って走れば、音を聞きつけて鬼がやってくるだろうな・・・」
小さく笑いながら、再び歩き始めた。
手首に付けられたタイマーに視線を落とすと、

『44:58』


「まだ、そんなものか・・・」
思わず溜息をついてしまった。
自分の中では、とっくに1時間ほどが経った感覚なのだが・・・。

突然、あなたの肩を何かが触れた。


『“鬼”か?!!』


あなたの背中に冷たいものが流れる。
驚いて振り返ると、伊藤智人がニコニコしながら立っている。
「驚きました?」
「当り前だろう!!」
思わず大きな声で言った瞬間、あなた達は笑い出してしまった。
「とにかく、逃げ切りましょう!」
伊藤の言葉に、
「ああ・・・」
あなたも力強く肯いた。
その瞬間、あなたの正面に立っていた伊藤の表情が凍りついた。
「【あなた】さん、鬼です!!」
あなたと伊藤は同時に走り出した。
振返ると、艶やかなボブカットの髪を揺らしながら、鬼が猛スピードで追ってくる。
あなた達は遊園地の通路を懸命に走る。
正面にはジェットコースターのフェンスがある。







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