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『変身中2012』を掲載した時に、

「カードで変化させられるのもいいですが学校編のように捕まえられた鬼と同じ姿になる方が個人的には面白いと思う  この場合人が捕まえられる度に鬼も減ってしまうのでストーリー上なかなか難しいのかもしれませんが 」

と、感想を頂きました。

書き手の逃げ馬は、『秋の公園編』を書いた時に皆さんの好みを聞いたのですが、特に意見がなかったのですよね(笑)
その時にいただいた感想は『どちらでもOK』でした(笑)
TSF重視なら『学校編』の鬼・・・元ネタ重視なら、『秋の公園編』から登場の黒スーツの鬼になるかと思っています。
結局、元ネタを尊重して黒スーツの鬼が最後まで登場することになりましたが(笑)

それなら『学校編』の鬼が『2012』に出てくると、どうなるのか・・・それならばと掲示板で書いてみたのが、このストーリーです。




掲示板で『変身中』(笑)





あなたは“ドコカノランド”の園内を歩いていた。
腕に付けられたタイマーに視線を落とすが、まださほど時間が立っていない。
思わず溜息をもらし、そんな自分に苦笑いをしてしまった。

“ドコカノランド”に広場には、銀色のボックスに入った4人の女性がいた。
『体操服とブルマを着た女の子』、『スクール水着を着た女の子』、『セーラー服を着た女の子』、そして『チアガール』だ。
そして、あなたを含めて6人の男性が集められていた。
最初の鎖を引くゲームで、「あたり」を引いた男性は、『体操服とブルマを着た女の子』に捕まった。
赤い光に包まれ、その光が消えた時には、男性も女の子もその姿が見えなくなっていた。
あなたは残った3人の“鬼”から逃れ、ここまでやってきた。
逃げる途中には、自動販売機の横や、入場ゲート、それに乗り物のチケット売り場の横に2mほどの高さの銀色のボックスが置かれていた。
『一体・・・中には何が・・・?』
そう思ったのだが、中は見えなかった。
途中で見つけた一つのボックスは、観音開きの蓋が開いていたが、中には何もなかった。

「まったく、とんでもない事になったな・・・」
あなたの口から、再びため息が漏れた。

その時・・・。



「うわ〜〜〜〜?!」



あなたの後ろから、叫び声が聞こえてきた。
振返ると、一人の青年がこちらへ向かって必死に走ってくる。
その後ろから、ポニーテールの黒髪を揺らしながら、セーラー服姿の女の子が走ってくる。
「やばい!!」
あなたも、後ろを振り帰りながら走り始めた。
後ろを走る青年に、女の子が迫る。
青年の背中に、女の子がタッチした瞬間、青年と女の子は赤い光に包まれ、その姿は消えていた。
あなたの携帯電話から、着信音が流れてきた、メールだ。

メールを見ると、予想通り「確保情報」だった。
あなたは舌打ちをして、携帯電話をポケットに戻した。
これで二人が女の子になった・・・そう思いながら歩き始めたが、
「アッ?!」
そうだ・・・女の子は捕まえた瞬間、その姿は消えていた。
すると・・・逃走者4人に対して、“鬼”は二人? これは有利だ。
あなたの顔に微笑みが浮かんだ。
その時、
「キタキタ!!」
あなたの後ろから、スクール水着を着た女の子が走ってきた。
「この季節、その格好は寒いぞ!!」
あなたは余裕の笑みを浮かべながら、彼女に向かって叫ぶと同時に走り出した。
しかし、その笑顔はすぐに消えることとなる・・・。

「ピ〜〜〜〜〜〜ッ!」
突然、笛の音が聞こえた。
音の聞こえた方を見ると、可愛らしい婦人警官が、笛を吹きながらあなたに向かって走ってくる。
「エッ?!」
戸惑うあなた。『婦人警官なんて・・・最初はいなかったぞ?!』
事態が飲み込めないが、『止まると危ない!』と本能が告げていた。
「笛を吹いても止まらないぞ!」
あなたは婦人警官に向かって叫んだ。
しかし・・・・。
「またかよ!」
別の方向からは、ボブカットの黒髪を揺らしながら、リクルートスーツを着た女の子が走ってくる。
あなたは、ようやく事態を飲み込めた。
銀色のボックス・・・あの中には“鬼”が入っていたのだ。
蓋の開いていたボックスは、すでに“鬼”を『放出』した後だったのだ。
一人が逃走者を捕まえて消えるたびに、一人を『放出』していたのだろう。
あなたは3人の“鬼”に追いかけられながら、柵を飛び越えると、保存をされていた蒸気機関車・・・C62の運転席に飛び込んで身を隠した・・・。



3人の“鬼”に追いかけられたあなたは、SLの運転席に隠れていた。

あれから『ミッション』のメールが来たが、ミッションに行こうとしたあなたは“鬼”を見かけて動く事が出来なかった。
誰かが『ミッション』をクリアしてくれたのだろう・・・大きな爆発音が響き、爆炎が見えた後、ミッションクリアのメールが届き、あなたは胸をなで下ろした・・・なにしろ、クリアできなければ100人の鬼がやってきたのだから・・・。
だが、その代償として、さらに一人が『スクール水着を着た女の子』にされたようだが・・・。

いつまでもここにいると、“鬼”がやってくるかもしれない。
「さあ・・・行くか?」
あなたは呟くと同時に腰を上げた。
遊園地の中を歩き始めると、ジェットコースターが走る音や、スピーカーから流れる音楽が聞こえてくる。
「?!」
あなたは植え込みの中に身を隠した。
あなたの前を、婦人警官・・・“鬼”が歩いて行く。
あなたは息を殺して身を隠し、“鬼”を睨みつけている。
幸い彼女は、あなたに気が付かなかったようだ・・・彼女は歩き去って行った。
あなたは大きなため息をつくと、再び歩き始めた。

辺りには桜の花が咲き、春の日差しがあなたを照らしている。
ふと見ると、女子高校生だろうか?
ジャンパースカートの制服を着た女の子が、ベンチに座って微笑みながら桜の花を見上げていた。

『可愛い子だな・・・』
あなたはそう思いながら、彼女を見つめていた。
白いブラウスと紺色のジャンパースカート。
白いハイソックスが彼女の細い足を引き締めている。
胸元には、お嬢様学校として有名な進学校のバッジが付いている。
艶やかな黒髪を三つ編みに纏め、ピンク色のリボンが風に揺れている。
『彼女が“鬼”なのなら、この遊園地の中を捜しまわっているはず・・・そうだとすると、彼女は“ゲーム”には関係ないのか?』
あなたは、彼女の前に立った。
彼女は桜の花から、あなたに視線を移した。あなたの姿を見るとその顔に、人懐っこい微笑みを浮かべた。
「こんにちわ」
あなたが声をかけると、
「こんにちわ・・・良い天気ですね♪」
彼女は雲ひとつない青空を見上げながら、明るい声で言った。
「そうだね・・・」
あなたも空を見上げながら答えると、
「お花見に来たの?」
と、彼女に尋ねた。
彼女は大きな瞳であなたを見つめながら、
「はい・・・お天気も良いし、桜もきれいに咲いていますから・・・」
ニッコリ微笑みながら言った・・・可愛らしい笑顔だ。
「女の子らしいね・・・」
あなたが明るく笑うと、彼女はベンチから立ち上がった。
「あなたも女の子らしくなるのよ・・・」
そう言うと、彼女はあなたの肩に手を置いた。

「つ・か・ま・え・た♪」

赤い光が、あなたの体を包んだ。



「しまった!!」



彼女は“鬼”だったのか・・・そう思った時には、すでに周りは赤い光で包まれていた。
今のあなたには彼女も、咲き誇る桜の花も、遊園地の風景も見えない。
あなたの周りの光が赤から白に変わった。
それと同時に、あなたは自分の体に変化を感じていた。
胸がくすぐったい・・・そう感じてあなたは自分の胸に手をあてようとした。

「?!」

あなたの腕は自分のものとは思えないほど肌は白く・・・そして腕は細くなり、その掌は小さくなり、細くしなやかな指が驚きに震えている。
「そんな・・・・?」
そう呟いた声は、すっかり年頃の女の子の声だ。
その間にも、あなたのお尻は女の子のように柔らかく・・・そして大きく膨らんでゆき、反対にウエストはどんどん細く・・・女性らしい曲線を作ってゆく。
気が付くと、足が自然に女の子のように内股になっていく。

「アッ?!」

頭がムズムズする・・・そう感じた時には、細くしなやかな黒髪がスルスルと伸びて三つ編みに纏まると、その先にピンク色の光が集まりリボンが結ばれていた。
あなたのシャツがスルスルと短くなり、生まれたばかりの胸を形良く・・・キュッとサポートする。
それと同時に、下半身を滑らかな肌触りの下着が、あなたの大きく膨らんだヒップをキュッと包みこんだ。
戸惑うあなたの体の上半身を、柔らかな肌触りの下着が包みこむ。
それと同時に、上着に変化が起き始めた。
ズボンがどんどん短くなり紺色に変わると、同じように紺色になった上着と繋がり、それはジャンパースカートに変わっていた。
そして純白のスクールブラウスと、赤いリボンタイ・・・あなたは、あの少女と同じ姿に変わってしまっていた。

そして・・・眩い光があなたを包み込んでいた・・・。


「真希・・・大丈夫?」
女の子の声が聞こえて、あなたは我に戻った。
「本当に・・・大丈夫?」
ショートカットの髪の少女が、心配そうにあなたの顔を覗き込む。
『彼女は誰なんだ・・・』
あなたは戸惑いながら、自分の体を見下ろした。
紺色のジャンパースカートに包まれた体。
ジャンパースカートを押し上げる胸の膨らみ。
スカートから伸びる無駄毛一つない白く細い足。
白いハイソックスが、足首を引き締める。
あなたはスクールバッグから鏡を取り出し、その中を覗き込んだ。
美少女が大きな瞳を見開いて、驚いた表情であなたを見つめている・・・そう、そしてそれは、今のあなた自身の姿なのだ。
「真希?!」
少女が心配そうに、あなたの体を揺する。
『違う・・・僕は真希じゃない・・・』
そう言おうとしたが、あなたの中では『何か』が変わっていく。

「ごめん・・・大丈夫よ!」
「さあ、行こう!」

二人は桜の花が咲く、立派な校門をくぐっていく。

あなたの『新生活』が始まった・・・。


掲示板で『変身中』 おしまい









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